我々パチンカスはパチンコ台に向き合った時にだけ闘争心や高揚感を得ることができる。
つまりパチンコとは我々の乾いた心に潤いを与えてくれる存在だ。
今日も絶対に勝つ!
多くのパチンカスがそう意気込んでホールに馳せ参じることだろう。
かく言う私ももちろん、今日も絶対に店を潰す!と鼻息をフゴフゴさせている真っ最中だ。
しかし私と同じように心のどこかでこんな疑問を抱いている方はいないだろうか?
パチンコとは実は客側が絶対に負けるようになっているのではないか?という疑問を。
絶対に負けるのであれば多くのパチンカスが性懲りも無く何度もホールに足を運ぶはずがない。
ましてやパチンカスには実戦を通して磨き上げてきたヒキという最大の武器がある。
どう計算しても負けるはずなどあり得ないのだ。
本来ならこの「常識を疑え」のような疑問などは抱く必要などない。
そんな雑念に頭を抱えるより今日はどの店を潰すかを考える方がよっぽど建設的だ。
しかしながら観察眼に定評のある私は10年以上もの間パチンコに興じる中でこの禁断の疑問を抱いてしまった。
抱いてしまったからには検証せざるを得ないのが私のようなパチンコ評論家の悲しいサガだ。
今回はパチンコは絶対に客側が負けるようになっているのではないかというパチンカスの永遠のテーゼを徹底的に検証したい。
楽して稼ぎたいという全てのパチンカスの想いを背負っていることは重々承知している。
その責務を果たすため必ずこの説を完全に否定し得る根拠を見つけ出し、全てのパチンカスの不安を取り除くことをお約束する。
結論:パチンコは絶対負ける
様々なデータや要素、客観的事実、希望、願望、陰謀、思惑、その他全ての事象を加味して検証した結果、パチンコとは絶対に客側が負けるという結論に至ったことをもう最初に伝えておこう。
どのような検証を実行しようともこの説を否定し得るだけの根拠を見出すことはできなかった。
全てのパチンカスの不安を取り除くとの約束を早々に反故にしてしまったことは素直に謝罪したい。
本当にごめん。
多くのパチンカスにとっても蓋をしてしまいたい結論であると察するので公表を控えるという選択肢もあったのだが、約束を破ったことに対するせめてもの罪滅ぼしとこの結論を導いてしまった者の責務としてやむなく正直に公表するに至った。
それではパチンコが絶対に客側が負けるようになっていると結論付けた根拠を順に紹介していきたい。
根拠①パチンコ屋は営利目的である
パチンコ屋というのはどうやら利益を追求するために日々営業しているようだ。
あのどデカい巨城を維持するには当然ながら相当なお金が必要になる。
その運営費用は果たして自販機やカフェの売上なんぞで賄うことができるだろうか?
いや、そんな微々たる売上では従業員1人の日当にもならないだろう。
私はパチンコを始めたばかりの頃から今日に至るまでパチンコ屋はお金をくれる優しい施設だと思っていたが、今回のこの仮説を検証するにあたって考えを改めさせられてしまった。
パチンコ屋が売上をあげるためには我々パチンカスを負けさせなければならない。
その我々が投じた軍資金が売上となるのだ。
それはもちろん悪いことではない。
営利目的の会社であれば当然のことである。
悪いのはそうとわかっても足を運んでしまう我々パチンカスだ。
完敗だ。
根拠②ゼンツの生涯収支がまさかのマイナス
私は試合後は必ず収支表にその日の収支を記録するようにしている。
今までどんな日課も三日坊主で終止符を打っていた私が長年欠かさず取り組んできた唯一の日課だ。
もちろん空いた時間に軽く打った1,000円などつけるに値いしない収支もしっかりと記録している。
それだけにかなり信用のおけるデータである。
さて、右手に宿し鬼のヒキと洗練されたオカルティック分析、必殺打法を武器にして日々ホールを闊歩するこのゼンツがどんな成績を打ち立てているのかとワクワクしている読者の方もいらっしゃるだろう。
しかしその期待に応えることはどうやらできなかったようだ。
2016年12月から利用している収支表アプリの通算収支は-1,802,600円。
ちなみに携帯の機種変更をした時にそれ以前の収支表アプリを引き継ぐことができなかったが、引き継ぐ前の通算収支は2013〜2016年で確か-1,200,000円ほどだったと記憶している。
さすがに鬼のヒキとオカルティックな立ち回りで失点を最小に抑えているとは言え、このゼンツでさえも負け越しているのだ。
これはパチンコは客側が絶対に負けると結論付けるに十分な証拠と言えるだろう。
なんとか遊戯代の範疇に抑えられたのは不幸中の幸いだった。
根拠③どれだけ勝ってもパチンカスは必ずまたホールに現れる
初めてパチンコに行った日に勝ってそれ以降ホールに行くことが無ければ必ず負けるという説は誤りになる。
しかしパチンカスというのは勝てば必ず再びホールに姿を現すことになるのだ。
むしろ負けても必ずまた現れるのだ。
つまり負けるまで通い、負けても通う。
この憎しみの連鎖に終止符を打つ前にプラス収支に持っていこう!っと思って本当にプラスになっても結局は次の日に打ちに行ってマイナスになる。
パチンコが面白すぎるというこの強力過ぎる一点の要因により世のパチンカスの勝利はお預け状態になっているのだ。
パチンコって負けるから面白いんだよ
今回、パチンコは客側が必ず負けるという説を裏付ける根拠を3つ抜粋して紹介させて頂いたがどれも根拠としてそれなりの説得力をあなたは感じたと思う。
しかし私に言わせれば負けるからなんなのだという話である。
むしろパチンコとは負けるから面白いのである。
勝負ごとは負けがあるから熱くなるのだ。
リスクを負い、持てる技術を出し切り、勝利への執念をたぎらせる。
その果てに掴んだ勝利こそが格別の喜びとなるのだ。
ゆえに、もしパチンコが負けることなく本当にお金をくれるだけの優しい施設だったとしたら私は足繁く通うことなどなかっただろう。
そんなぬるい世界では自分を保つことなどは不可能だ。
パチプロという畏怖なる存在
今までパチンコは客側が絶対に負けるという説について私の検証結果を紹介してきた。
残念ながらこの説が間違いではない可能性が非常に高いということは多少はご理解頂けただろう。
しかしこの説に真っ向からぶつかり、必ず負けるという文言を覆さんとする畏怖なる存在を無視することはできない。
それはパチプロという存在だ。
彼らは期待値を愚直に追いかけ、期待値が高い台が無ければ打たないという選択肢をとることができる。
この一見するとなんとも消極的な選択は実は並大抵のパチンカスには不可能なのである。
我々パチンカスは打ちたい台を打ちたいのである。
そもそもパチンコを打ちにパチンコ屋に行っているのに、パチンコを打たないという選択肢などははなから無いのだ。
期待値の無い台は触らない。
つまり、負ける台は打たない。
この選択肢をとることができる、非常によく訓練された精神力を持ち合わせている者がパチプロとしてホールに君臨する。
もしこの立ち回りを全員がすることができればホールは必ず潰れるだろう。
しかしこの神の御業とも言うべき立ち回りは常人には不可能なのだ。
ゆえに一部の例外を除いた客側が必ず負けると言えるだろう。
大切なのは試合を楽しむこと
さて、いよいよパチンコは客側が必ず負けるという悲しい説を完全肯定しなければならない段階にやってきた。
それは薄々ながら我々パチンカスの深層心理に刻まれた恐怖のような説だ。
誰もが初めからわかっていた結末なのかもしれない。
しかし大切なのはそれでもなお、それを踏まえた上で試合を楽しむということなのではないだろうか?
先述したように負けがあるからパチンコは面白い。
必ず負けるということであればそれに抗うのもまた一興だろう。
私はこれからも打ちたい台で爆勝ちして楽に稼ぐという偉大なる夢を追っていく所存だ。
ここまで読んで頂いたあなたもどうかその夢を諦めないで欲しい。
最後になるが、もしパチ屋が本当にお金をくれるだけの優しい施設だったとしたら私は足繁く通うことなどなかっただろうと先述したが、本当にそうだったら仕事を辞めて毎日欠かさず通うことは今回検証したこの説より遥かに確かであることは言うまでもない。
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