パチンコとは千円の積み重ねの勝負である。
軍資金という名のHPは千円ごとに1メモリ消化され、無限の富を持つ富豪でない限りいつかは必ず最後の千円に辿り着く。
その時パチンカスは朝起きてこのクソホールまで駆けつけ、この目の前のクソ台に座ってしまい、あまつさえその軍資金のほぼ全てを使い込んでしまったことを激しく後悔しながらこの最後の千円の戦いに身を投じることになるのだ。
もはや私クラスのパチンカスともなれば生まれて来たことさえも後悔しながら最後の千円に全身全霊をかけて全ツッパすることもこれまでに何度もあった。
しかしその最後の千円での戦いは今までのどんな瞬間よりも生きた心地がする熱い勝負になるのだ。
私はその熱い勝負こそがパチンコの醍醐味であるとも考えている。
だが、最後の千円での戦いには注意しなければならない点や作法がある。
熱い気持ちだけを持って最後の千円の戦いに挑むのももちろん良いが、そういった注意点や作法を学べばより熱い勝負を展開することができ、勝利の確率もわずかばかりは上がるはずだ。
今回は銀玉村のラストサムライの異名を持つ私がパチンコの最後の千円の攻防戦においての注意点や作法を伝授したい。
その最後の千円は本当にブチ込むべきか？
さて、いきなり己のことをラストサムライと称する男の出現に困惑しつつも、こいつは絶対に最後の千円をブチ込むはずだと思われた方も多いことだろう。
しかし私は決してその最後の千円を使うべきだと推奨しているわけではない。
これには2つの理由があるので紹介しよう。
試合終了の合図はいつ？
かの有名なバスケ部監督の名言に「あきらめたら、そこで試合終了ですよ」というものがある。
諦めなければ活路を見出すことができ、逆転の機会を得ることがあるかもしれない。
まさに最後まで戦いぬくことの大切さを説く素晴らしい名言なのである。
しかし最後の千円の戦いにおいては諦めてカードを抜けばもちろん試合終了であるし、その千円を使い切ってもどのみち試合終了である。
つまり最後の千円になった段階ではもう試合はとっくの昔に終了しており、敗戦処理の段階にいる可能性の方が高いのだ。
もはやAN西先生ですら諦めてしまっていてもおかしくない段階なのだ。
こちらの私の論文にもあるようにパチンコとは客側が必ず負けるような仕組みになっている可能性が非常に高い。
つまり「勝負」ではなく「遊戯」なのである。
全財産が残り千円になるまでむしりとられる異常な遊戯なのだ。
もしかしたらその最後の千円は使わずに帰りのタクシー代か晩酌のおつまみ代として使って一品増やした方が遥かに有意義なのかもしれない。
最後の千円になった時にそういった可能性を今一度考慮してみて欲しい。
千円で当たる確率
もうひとつ、千円で当たる確率というものを計算してみよう。
計算式はド文系の私にはよくわからないので割愛するが、こちらのサイトが簡単に計算してくれるのでぜひ活用して頂きたい。
現在ホールの主流になっているミドルタイプ（1/319）、千円あたりで15回転回る台というのを条件に計算すると当たる確率は4.6%となっている。
当然ながらライトミドルや甘デジであればもう少し当たる確率は高くなるし、最後の千円で何回転回せるかも打ってみないとわからない。
ミドルで、そして15回転回すことができたのならば4.6%の確率で大当たりを引くことができるのだ。
今まで何枚もの千円でひけなかったこの確率を都合よく最後の千円で引くことができるだろうか？
それを今一度よく考えて欲しい。
ちなみに私はというとよくよく考えた上で「引くしかねぇ！」と果敢に最後の勝負に挑み、敗れ続けてきた。
想像力と覚悟が必要
上記2つの理由で私は何が言いたかったのかと言うと、最後の千円を使う前には「想像力」を実際に最後の千円を使う時には「覚悟」が必要だということだ。
その想像力と覚悟について解説していきたい。
最後の千円を使う前の想像力
最後の千円を使う前にはこの千円を使い切った時のことを想像する必要がある。
この最後の千円を使っても当たらないかもしれない。
とうの昔に試合なんてものは終わっていたのかもしれない。
この千円を使い切ってしまったらゲロを吐きながら帰ることになるかもしれない。
それならこの千円で晩飯のおかずを一品増やした方がいいかもしれない。
そう。運転に例えるならば「かもしれない運転」が必要になるのだ。
当たる確率の方が遥かに低いのだから打たずに帰る方がいいのかもしれないという想像力を持つことが非常に重要だ。
しかし私を含め、およそ全てのパチンカスは「絶対に当たるだろう」「そして鬼連チャンして晩飯のおかずが5品は増えるだろう」と「だろう運転」の方が得意だ。
むしろ「当たるかもしれない」「もはや当たらなくてもいいかもしれない」「僕は多分財布の中身を全てぶちまけたいだけなのかもしれない」と「かもしれない運転」でも間違った方向に進んでしまう可能性の方が高い。
だろう運転でもかもしれない運転でもアクセルを全開にしてしまうパチンカスには危険予測能力が著しく欠如していると言わざるを得ないが、それでも一縷の望みにかけた勝負というものは冒頭でも述べた通り非常に熱く、パチンコの醍醐味と言っても良い素晴らしい勝負になるのだ。
当たらずに数分後にはゲロを吐きながら帰ることになるだろう。
しかしこの最後の千円を賭けて戦うと決めたならば次に必要になるものが「覚悟」だ。
最後の千円を使う時の覚悟
意を決して最後の千円を使うと決めた時に必要になるものは「覚悟」だ。
その千円を使わなければ帰りはタクシーで帰れるかもしれない。
晩酌のおかずを一品増やせるかもしれない。
しかしその微塵の恩恵すらも手放して全てを失う不退転の覚悟だ。
その覚悟が勝負を熱くさせ、大逆転劇を生み出す原動力となるのだ。
もちろん少しもかすることなく終わったらゲロを吐きながら帰ろう。
最後の千円を使う時に必要になる所作
最後の千円でも打つと決めたならばもちろん大当たりを掴みとる気持ちで打つはずだ。
その決死の大当たりは最後の1玉で引く可能性もある。
実際にそうなった時に慌てずに冷静に対処するために必要になる所作と心がけを紹介したい。
当たった時のために3玉くらいは残しておく
まず大切なのは当たった時のために3玉程度は手元に残しておくということだ。
どうせ当たらないだろうと最後の玉まで打ってしまうともし当たった時にアタッカーに入れるための玉がないという危機的状況を招いてしまう可能性もある。
3玉程度を手元に残し、保留と盤面を舞う玉の行く末を全て見守った後に残しておいた3玉を打ち込む。
最後の千円の戦においてはこの3玉が終戦を告げる合図となるのだ。
万が一にも全ての玉を使い切った後の保留で大当たりを引いてしまった場合はお隣さんにひとつまみの玉を貸してくれるようにお願いしよう。
もちろん大当たりを消化したあとに少し多めの玉を返すことを忘れずにご注意願いたい。
お礼にコーヒーの差し入れでも渡せれば更に良い。
スマパチの場合はお隣さんにスムーズに土下座できるよう準備しておく
実際に玉を使う従来機であれば数玉お隣さんに借りれば済むが、スマパチとなると話は別だ。
玉を借りることができないので最悪の場合千円札を借りなければならない。
当然ながら見ず知らずのしかもパチンカスというこの世で最も信用できない人種なのだから土下座の一つや二つかまさないと貸してくれる可能性は低いだろう。
したがってスマパチで最後の千円の戦いに挑む時は特に3玉程度を残してしっかりと最後まで大当たりの有無を見届けることを徹底するべきだ。
もしくは逆にもうひと勝負分の軍資金を貸してもらえるくらいの勢いで土下座をかます準備をしておこう。
最後の千円の戦いこそがパチンコの醍醐味
繰り返すが、私は決して最後の千円を使うべきだと推奨しているわけではない。
むしろ使わない方がいいのではないかと心の中ではわかっているのだ。
しかしこれも繰り返しになるが、最後の千円での勝負こそがパチンコの醍醐味とも言える熱い勝負になるのだ。
パチンコはこの世で最も面白い遊戯のひとつだが、そのパチンコの最も熱い瞬間というのが最後の千円に待っているのだ。
推奨しているわけではないが、この面白さを味わってみて欲しい。
そんな複雑な気持ちであることは察していただけるとありがたい。
パチンコで最後の千円を使う時の注意点や心持ちのまとめ
パチンコで最後の千円を使う時の注意点や所作を紹介させていただいた。
大切なのはこの最後の千円を使わずに残しておいた場合や使いきった時のことをシミュレーションするための想像力と実際に最後の千円を使うという判断に至った時の決死の覚悟だ。
そして最後の千円の戦いに身を委ねる際に、最悪の場合を想定して隣人へ玉を貸してもらえるように準備しておこう。
スマパチの場合はスムーズに土下座して千円札を貸してもらえるように土下座の着地点への導線を確認しておこう。
最後の千円での戦いはパチンコの醍醐味と言っても良いほどの熱い勝負になることは間違いない。
その最後の千円が大逆転劇の幕を開けさせるのだ。
とは言え打たない方が正解であるのは自明の理だ。
本当にその最後の千円の戦いに挑むべきか今一度よく考えて判断して頂きたい。
できれば最後の千円になるまでやられるような状況にならないように私は世界の隅っこから祈っている。
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